2014/07/30

目まで汗かくような炎暑の決勝戦@草薙球場

天は決勝を水入りさせたくないのか、
雨天順延の多かった今年の地方大会の掉尾は、
静岡草薙球場も晴天下の炎暑だった。

「澤村・ベーブルースMemorial Stadium」の
愛称でも知られるように、日米野球でも
名を馳せたオールドファンには懐かしい球場だ。

静岡VS掛川西。県立高校同士の対戦は、
全校の高校野球ファンなら誰でも
血わき肉おどる、願ってもない好カードである。

ちなみに気候温暖の静岡県は、広島県と
並んで列島の中でも平準的な地域として知られ、
サッカーだけではない、ばってん、
野球だって王国の名に恥じないエリアなのだ。

熱波に誘われたのか、両校の応援合戦も
ぐんぐんヒートアップ。一塁・三塁のスタンドを
目まで汗かきかきスタコラ往来すること数回。
手持ちタオル3枚が、忽ち濡れタオルと化した。

試合は、中盤に小刻みに加点した古豪・静岡が
そのまま逃げ切る展開。3対2のスコアで、
決勝戦は6戦無敗だった掛川西を僅差で下して、
3年ぶり23度目の甲子園きっぷを手にした。


閉会式の後々までも、1塁側の旭日旗は揺れ、
3塁側のスタンドは勝者を称える...
高校野球ならではの熱戦の余韻が、
日の長い草薙球場スタジアムを包んでいた。





























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2014/07/29

人生の真夏日はそうとわからないうちに...@横浜スタジアム


「横浜公園平和球場」なる名が前身で、
愛称「ハマスタ」で知られる横浜スタジアム。
神奈川大会のベスト8に進出すれば、
かくも立派なプロの本拠地で野球ができるのは、
参加190校・全国最多を誇る恵みだろう。

プロ野球でもこうならないハマスタが超満員!
休日ではない。決勝戦ではない。白昼の準決勝である。
もともと神奈川県民の"高校野球熱"は、
関西には遠く及ばないものの、関東地区ではピカ一で、
東西代表を擁する東京など足元にも及ばない。

古くは(もう!)松坂大輔、新しくは松井裕樹を
挙げるまでもなく、どれだけの球児が
ここで溌剌とプレーをして巣立っていっただろう。
逆に言えば、どれだけ多くのファンの目に、
まだウブながらも大器の片鱗をチラッとのぞかせた
一投一打が焼き付いていったのだろうか。

準決勝に出場した4チームには、彼らに比肩する
好選手が何人かいた。主に野手であったが、
この日は実力を発揮できぬまま、チームは惜敗、
最終学年で甲子園への道はついえた。
掌中にしてたはずだけに、無念さは察するに余りある。

人生の真夏日は、そうだとわからないうちに
過ぎていく。だとしたら、青春もまたそうなのだ。




























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2014/07/27

土砂降りの雨が敗者を濡らして@上毛新聞敷島球場

群馬といえば、北関東の野球どころのひとつ。
2013年、つまり1年前の去年の夏、
前橋育英が全国優勝に輝いたのは記憶に新しい。

上毛新聞敷島球場は、前橋からバスで行く。
地方球場の観客のほとんどがマイカー利用のため、
アクセスはいいとはおよそ言いがたく、
決勝戦とはいえども臨時バスの運行もない。

球場マニアではないのだが、球場内の売店を
覗くのは地方大会の楽しみのひとつ、。
かき氷のほか、冷やしスイカやトマトが売られ、
あゝ、上州の地に来たんだ!と実感する。

目を上げれば「つかめ夢」「つなげ絆」と、
まるで判で押したような寄せ書きのノボリが
旗めき、決勝戦であることを実感する。

試合は、いわゆる膠着状態の末、
3投手のリレーによる無安打の完封劇で、
健大高崎が伊勢崎清明を下した。

試合終了直後、バケツをひっくり返したような
土砂降りの大雨に。丸腰の身は、
上・下半身ともびしょ濡れ状態になって、
そのまま川にでも飛び込みたい気分。

遣らずの雨が上がると、高温で名にしおう
前橋の気温は摂氏38度を指していた。






























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2014/07/26

小高工の分もガンバレ!@開成山野球場

いささか個人的なことだが、6月28〜29日の両日、
南相馬市小高区でボランティア労働に勤しんだことで、
福島大会は、ひそかに小高工を応援していた。

福島第一原発から15km、「苦難上等」がスローガンの
小高工業は、2回戦で県"初"の完全試合を達成、
4回戦で覇者・聖光学院に0-2と惜敗したのを忘れようか!
両チームスタンドに掲げられた千羽鶴の
並々ならぬ量の多さも、それを物語っている。

3年前のあの日以来、「みちのくに大旗を!」と
ひおしお願い続ける福島県民が応援した今年の決勝戦は、
そんな目に見えない糸も引き込んだ好試合だった。

聖光学院が土壇場の逆転で日大東北を下して、
戦後最多タイの8年連覇!という新聞の号外が飛び交う。
が、7年連続出場ながら未踏の全国制覇という
珍記録も携えて、十字架を背負って甲子園に乗り込む。


それはそうと、県内きっての開成山野球場は、
都会と地方がほどよくブレンドされたスタジアムの案配で、
強烈な陽射しの中にも、夏風が一瞬、吹き抜ける。

外野のスタンド回りをまずは一周した後、
一塁三塁の両スタンドを試合展開に合わせて往来する。
上野から郡山まで在来線の鈍行で片道5時間、
行路にかかる時間が多いほど、高校野球の神さまは、
きっと厚くもてなしてくれるのだ。
















































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2014/07/25

甲子園への"茨の道"②│@ひたちなか市民球場

常磐線・勝田駅から茨城交通バスで20分、
炎天下の照り返しの中を歩くと、
私が観戦するにはもったいない球場が現れる。

プロ野球の公式戦も開催されるなど、
相撲と並んで野球熱の高い茨城県民にとって、
お馴染みの「ひたちなか市民球場」だ。

お初見のスタジアムには気持ちも高ぶる。
肉眼レンズで試合展開を追いながら、
カメラレンズがもう一つの熱球譜に向いていく。
報道クルーではない、フリーの身だからね。

チアたちの動きひとつにしても、
ナイン全員の試合後のストレッチ体操にしても、
球場とほどよくハーモナイズされて、
その上、地区大会ならではの自由と光輝がある。

目を転じれば、強豪を相手にした善戦も
報われなかった部員たちの姿が、
目ン玉とiPhoneのレンズを等しく曇らせる。

いつもながら空きっ腹を抱えての帰路、
涙を飲んだ高校の駅で途中下車。
駅前食堂でラーメン定食に舌つづみを打っていると、
熱い一日がスローモーションで立ち昇る。

勝者には、"茨の道"の頂点まであと2試合。
敗者には、"敗れざる者"という言葉が浮かんだ。

◎写真2〜8は、取手松陽のスタンド
◎写真9.10は、石岡一のナイン

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